NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の1シーンで、
「死して屍拾うものなし」と書かれた掛け軸が写っていました。
これには時代劇ファンを中心に、ニンマリしたそうです。
『カムカムエヴリバディ』に写っていた
「死して屍拾うものなし」とはどういう意味なのか?
「死して屍拾うものなし」を初めて聞いた方のために、
この記事で、意味と元ネタを解説したいと思います。
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「死して屍拾うものなし」の元ネタは、
『大江戸捜査網』という名作時代劇に登場するワンフレーズです。
まずはじめに、『大江戸捜査網』について解説させてください。
『大江戸捜査網』は1970年に放送された名作時代劇です。
あらすじ
主人公たちが所属する「隠密同心」が、
江戸時代に発生した事件の裏に暗躍する悪に立ち向かうストーリーです。
「隠密同心」とは、松平定信が極秘につくった組織であり、メンバーたちは表向きは普通の町人として暮らしています。
しかし事件が発生すると、
町内の地蔵の鉢巻きが集合の合図となっております。
鉢巻の合図で集結し、指令を受け、変装や潜入、
囮などいろんな方法で捜査をし、悪をやっつけていきます。
実はこの作品は、アメリカのテレビドラマ『スパイ大作戦』にインスピレーションを
受けた作品だと言われています。
まさに「隠密同心」は、江戸時代のスパイのようなものです。
『大江戸捜査網』の作中で
「隠密同心 心得の条 我が命我が物と思わず 武門の儀、あくまで陰にて 己の器量伏し、ご下命いかにても果すべし なお 死して屍拾う者なし 死して屍拾う者なし。」
というナレーションが流れます。
ここで「死して屍拾う者なし 」という名セリフが、出てきます。
先程申しましたが「隠密同心」は変装や潜入、囮などのエキスパートです。
故に、人知れず戦い続けて人知れず死ぬという、人生の裏街道を歩かなければならないという宿命を、メンバー達は背負っています。
そのため、
「悪党を残らず成敗する際、返り討ちなどに遭って命を万一不覚にも落とすようなことがあろうとも、その亡骸を悼み・葬り・弔い・供養してはならぬという非情なる掟なので、それ相応の覚悟を決めて戦いに挑め。」
という事になっています。
「スパイ大作戦 」風に言いかえれば、
「もし君もしくは君の仲間が捕らえられ、
あるいは殺害されても我々は一切関知しない。」
「なので、覚悟を決めて戦いに挑むように。」
となります。
『カムカムエヴリバディ』の22日放送分では、3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)が
本気でラジオ講座で英語の勉強を始めました。
そこでひなたが自室で勉強するシーンがありましたが、自室に飾られている掛け軸には、
「死して屍拾うものなし」と書かれていたのです。
ヒロイン・ひなたは父親の影響で、大の時代劇好きです。
そのため正義感が強く、弱い者を救い横暴な者をこらしめる、
いわゆる【弱きを助け強さをくじく】という、強く優しい所があります。
やる気になるとすごく燃えますが、地道な努力が苦手で飽き性な一面があります。
ひなたは幼い時に英語の勉強を始めますが、三日坊主が影響して長続きしませんでした。
しかしある出来事をきっかけに、ひなたは再び英語の勉強を再開します。
その時の決意はすごく強く、あの掛け軸にも気持ちが表れているのでしょう。
『カムカムエヴリバディ』の物語は終盤に差し掛かっています。
今更ですが、『カムカムエヴリバディ』の見どころをご紹介します。
『カムカムエヴリバディ』はNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)の第105作目です。
主人公は先程紹介したひなたを含めて、3人の主人公がいます。
複数の主人公がいるのは朝ドラ史上初めての事です。
時代設定も昭和初期から平成、そして令和へと物語は進んでいきます。
3人の主人公は、それぞれの時代にさまざまな試練を乗り越え、仕事や恋、そして結婚、
3人の主人公は違った人生をそれぞれ過ごしていきます。
そして3人の主人公のそばには、NHKの「ラジオ英語講座」あったのです。
ここでは今回話題となった、「死して屍拾うものなし」と書かれた掛け軸が写っていた
シーンがでてきた時の反応を見てみましょう。
「死して屍拾うものなし」は、強い覚悟を決めて試練に挑めという意味です。
『カムカムエヴリバディ』の物語はいよいよ終盤、
はたして物語はどんな結末を迎えるのでしょうか?
みなさんも物語の結末を、見逃さないようにしましょう!